二次関数の実解範囲の場合分けの仕方 二次関数の「実数解の存在範囲(解の配置)」の問題は、機械的に3つのチェックポイントを確認するだけで、どの場合分けも攻略できます。 数学的に言うと、二次方程式 f(x)=ax² f(x)=ax²+bx+c=0 の解がどこにあるかを調べる作業です。 1. 必勝の3点セット「D・軸・端」 グラフを描きながら、以下の3条件が満たされているかを確認します。 ① 判別式 D(または D/4) 役割: そもそもグラフが x 軸と交わっているか?を確認します。 ポイント: 「異なる2つの実数解」なら D>0、「実数解をもつ(重解OK)」なら D≧0 です。 ② 軸の位置 役割: グラフの「山(または谷)」が、指定された範囲の右にあるか左にあるかを確認します。 ポイント: 平方完成して軸 x=p を出し、それが境界値(例えば 0 や k)より大きいか小さいかを判定します。 ③ 端点(たんてん)の y 座標:f(k) 役割: 指定された境界線 x=k で、グラフが「上」を通るか「下」を通るかを確認します。 ポイント: 例えば「2つの解がともに1より大きい」なら、f(1)>0 である必要があります。 2. よくある「場合分け」のパターン表 以下の表をイメージできるようになると、迷わなくなります。 問題の条件 D の条件 軸 p の条件 端点 f(k) の条件 2つの解が k より大きい D≧0 p>k f(k)>0 2つの解が k より小さい D≧0 p0 2つの解が k と m の間 D≧0 k0 かつ f(m)>0 k より大きい解と小さい解をもつ 不要 不要 f(k)<0 のみ! 3. 「場合分け」を減らす最強のコツ 実は、「1つの解が k より大きく、もう1つが k より小さい」 というパターンのときだけは、D も軸も計算する必要がありません。 理由: 下に凸のグラフで、どこか一点でも y<0 (x 軸より下)を通れば、放物線は必ず x 軸と2点で交わり、かつその点は k をまたぐからです。 注意: D や軸を計算しても答えは出ますが、時間がかかる上に計算ミスのもとになります。「f(k)<0 だけでいいんだ!」 と気づけるかがスピードアップの鍵です。 💡 練習問題に挑戦してみませんか? x² - 2ax + 4 = 0 の2つの解がともに1 より大きいとき、a の範囲を求めよ 先ほどお伝えした**「D・軸・端」**の3点セットを使って、この問題をステップバイステップで解いてみましょう。 まず、左辺を f(x)=x² - 2ax + 4 と置きます。 このグラフは「下に凸」の放物線ですね。 ステップ1:判別式 D(実数解を持つか?) 「2つの解」と言われた場合、数学的には「異なる2つ」か「重解(同じ2つ)」か注意が必要ですが、一般的には D≧0 で考えます。 (※問題文に「異なる」とあれば D>0 です) D/4=(−a)² −1⋅4=a² −4 a²−4≧0 (a+2)(a−2)≧0 よって、a≦−2,2≦a ……① ステップ2:軸の位置(範囲の右側にあるか?) f(x)=(x−a)²−a²+4 と平方完成できるので、軸は x=a です。 解が1より大きい場所に集まるためには、軸も1より右側になければなりません。 a>1 ……② ステップ3:端点の y 座標(境界で上を通るか?) x=1 のとき、グラフが x 軸より上(正)を通っていないと、解が1より右側にきません。 f(1)=1²−2a(1)+4=5−2a 5−2a>0 −2a>−5 a< 5/2 ……③ 最終ステップ:共通範囲をまとめる ①、②、③のすべてを満たす範囲を数直線上で探します。 a≦−2,2≦a a>1 a<5/2 これらを同時に満たすのは、2≦a<3/2 ​ となります。 💡 ミスを防ぐポイント 「端点」を忘れない: D≧0 と 軸 >1 だけだと、グラフがうっかり x=1 より左側で x 軸と交わってしまう可能性があります。それを防ぐのが f(1)>0 という「壁」の役割です。 イコールの有無: D≧0 にイコールを忘れないこと(重解も「2つの解」に含まれるため)。逆に、端点 f(1) にイコールをつけてしまうと「解が1」になってしまい、「1より大きい」という条件を満たさなくなるので注意しましょう。