学校の教室で先生がアクティブリコール指導していない時でも、生徒が自発的にアクティブリコール学習できますか?
結論から言うと、先生がアクティブリコール(思い出す学習法)を意識した授業をしていなくても、生徒が自分から「聞き方」や「ノートの取り方」を少し変えるだけで、自発的にアクティブリコールを行うことは完全に可能です。
むしろ、周りの生徒がただ漫然と板書を写している中でこれを実行すると、授業時間内の記憶定着率に圧倒的な差がつきます。
学校の授業中に、生徒が1人でこっそり、かつ効果的に実践できる具体的なテクニックを3つ紹介します。
授業中に1人でもできるアクティブリコール実践法
- 「時間差」板書(記憶のホールド)
先生が黒板に書いた文字を、見てそのままノートに写すのをやめます。
- やり方: 先生が書いた一文(または公式や単語)をジッと見て、頭の中で一度暗記します。その後、黒板から目を完全に離し、ノートだけを見て記憶を頼りに書き写します。
- 効果: 視線を往復させるだけの「作業」から、「一時的に記憶に留めて思い出す」というアクティブリコールに変わります。
- 「Q&A」ノートテイク(コーネル式の応用)
ノートを普通に取るのではなく、後からクイズ形式で思い出せるように工夫します。
- やり方: ノートの左側に細い縦線を1本引いて「クイズ列」を作っておきます。授業中は普通に右側に板書やメモを取りますが、先生が「ここテストに出るぞ」と言った瞬間に、左側の列に「〇〇の条件は?」「〜〜の理由は?」といった自分宛ての質問(問い)を書き残します。
- 効果: 休み時間やテスト前に、右側を隠すだけで即座に自作のアクティブリコール(セルフテスト)ができるノートが完成します。
- 「脳内ツッコミ」リスニング
先生の解説を聞きながら、頭の中で先回りをします。
- やり方: 先生が「…ということで、この公式を使うと」と言った瞬間に、先生が口にするより早く、頭の中で「 だ!」と答えを思い浮かべます。
- 効果: 受動的に話を聞くのではなく、常に脳内に「問い」を立てて思い出す準備をするため、授業中の眠気防止にも極めて効果的です。
生徒が自発的に行うためのハードルと対策
生徒がこれを1人でやろうとするとき、最大の壁は「板書が遅れて先生の話を聞き逃すかもしれない」という不安です。
そのため、指導者(塾の先生など)から生徒へアドバイスする際は、以下のようにハードルを下げてあげるのがおすすめです。
- 「1時間の授業で3回だけ」から始める: 最初から最後まで集中するのは疲れるので、「今日の数学の授業では、先生のキメ台詞の時だけ3回、時間差板書をやってみよう」と伝えます。
- 綺麗すぎるノートを諦めさせる: 「ノートは思い出すための道具(トリガー)」と割り切らせ、綺麗に写すことよりも、脳を動かすことに価値があると伝えてあげると、生徒は一気に動きやすくなります。
「授業はインプットの時間、家はアウトプットの時間」という常識を壊し、「授業中にどれだけ小出しにアウトプット(思い出す)できるか」のゲームにしてしまうのがコツです。
この自発的なアクティブリコール、まずは特定の科目や、少し退屈になりがちな授業から試してみるよう生徒に勧めてみるのはいかがでしょうか?