超難問規則性問題(中3)です。保護者様や高校生もチャレンジしてみてください。

 

(問題)一辺が1㎝平方の正方形カードを、下方向にピラミッド(正三角形)のかたちで隙間なく並べてゆきます。1段目1枚、2段目3枚、3段目5枚……と2枚ずつ左右に増やしてゆきます。

 カードとカードの境目の長さの和は、3段積み重ねた図形では10㎝となります。

n段目の図形の境目(カード同士が重なる辺の長さ)は、何㎝となりますか?

 

 

「カードとカードの境目の長さの和」についての解説です。

この問題は、手書きのメモや赤い解説にある通り、1つ前の図形までに並んでいた部分」と「新しく増える境目」の規則性を見抜くか、あるいは「縦の境目」と「横の境目」に分けて数えるとすっきりと理解できます。

生徒に指導する際にも使いやすいよう、2パターンのアプローチで分かりやすく解説します。

問題の状況を整理する

まずは具体例(1番目〜4番目)で、境目の長さがどう増えているかを実際に数えて確認します。

  • 1番目: n=1 のとき、カードは1枚だけなので境目は0 cm です。
  • 2番目:n=2 のとき、1番目の下に3枚加わります。境目の長さは 3cmです。
  • 3番目:n=3 のとき、さらに下に5枚加わります。境目の長さは 10cm です。
  • 4番目: n=4 のとき、さらに下に7枚加わります。境目の長さは21 cm です。

ここで、増え方(差)に注目してみます。

  • 1番目 → 2番目:+3
  • 2番目 → 3番目:+7 = 3 + 4
  • 3番目 → 4番目:+11$ = 10 + 11

赤文字の解説にある「1+2+3+4=10」という式は、「新しく増える境目の長さ」がそれまでの偶数の和になっていることを示しています。ただ、この見つけ方は少し直感的に捉えづらい場合があるため、以下の2つの解法がおすすめです。

解法1:縦の境目と横の境目を分けて考える(おすすめ)

$n$ 番目の図形全体において、「縦の境目」と「横の境目」を別々にカウントして合計する方法です。

縦の境目の長さ

各段ごとに「縦の境目」が何本あるかを数えます。

  • 1段目(一番上):カード1  境目は 0
  • 2段目:カード3  境目は 2
  • 3段目:カード5  境目は 4
  • k段目:カードが (2k-1) 枚あるので、境目はそこから1を引いた (2k-2) になります。

n番目の図形は全体で n段あるので、縦の境目の総数は以下の和になります。

 

0 + 2 + 4 + 6 +…… + (2n-2)}

 

 

これは初項 0、末項$2n-2、項数nの等差数列の和

(または2でくくって 2×{1 + 2 + …… + (n-1)}なので

 

{縦の和} = {n{0 + (2n-2)}}÷2 = n(n-1) = n² – n

 

横の境目の長さ

横の境目は、「段と段の間のすき間」のことです。

n段の図形には、段の境目(すき間)が (n-1) 箇所あります。

上から kつ目のすき間に注目すると、その上の段(k段目)の底辺がすべて境目になります。

k 段目のカードの枚数は (2k-1) 枚なので、その底辺の長さの合計は (2k-1) cm です。

したがって、すべての横の境目の長さの和は、1 段目から (n-1) 段目までの底辺の合計になります。

 

(21 – 1) + (22 – 1) + (23 – 1) +…… + {2(n-1) – 1}

 

= 1 + 3 + 5 + …… + (2n-3)

 

これは「1から始まる奇数の和(項数は n-1)」です。奇数の和は(項数)² になるという法則((2)の応用)を使うと、一瞬で計算できます。

 

{横の和} = (n-1)² = n² – 2n + 1

 

縦と横を合計する

を足し合わせます。

 

{全体の境目} = (n² – n) + (n² – 2n + 1) = 2n² – 3n + 1(cm)

 

 

解法2:全体の周りとカードの総数から計算する(スマートな解法)

(1)②と問(2)の答えをすでに導いている場合、それらを上手に利用して引き算で出す方法です。

  • n番目の図形にある正方形のカードの総数は n²枚 です(問(2)より)。
  • カード1枚の周りの長さは 4 cmです。もしカードをすべてバラバラに離して置いたとすると、周りの長さの合計は 4× n² = 4n² cm になります。
  • しかし、実際にはカード同士がくっついています。カードが1辺でくっつく(=境目が1本できる)ごとに、外側に出ていた周りの長さが 2枚分(2 cm)ずつ内側に消える ことになります。

つまり、以下の関係が成り立ちます。

 

{(バラバラのときの外周の合計)} – {(重なって消えた長さ)} =(実際の図形の周の長さ)

 

境目の長さをXとすると、重なって消えた長さは2Xと表せるので、

4n² – 2X = (実際の周の長さ)

 

ここで、問(1)②より「実際の周の長さ」は6n-2 であることが分かっています。

 

4n² – 2X = 6n – 2

2X = 4n² – 6n + 2

X = 2n² – 3n + 1 (cm)

(1)と問(2)の誘導をフルに活かせるため、高校入試対策としてはこちらの視点を持っておくと非常に強力です。

 

答え

(2n² – 3n + 1) cm