金沢の学習塾 プロアクティブ塾長の木原です。
入塾してからたくさんの生徒さんが成績の向上を実現しています。
また、学力向上だけでなく、毎回の挨拶や休憩時間の会話などから、 心身ともに成長されていることを日々実感しています。
アダム・グラント氏の著書『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』より、 これからの時代を生きる子ども達に考えてほしい、”ギバー”という考え方を紹介します。
「ギバー」とは?
アダム・グラント氏が定義するには、人間は以下の分類に分けられると教えています。
テイカー:自分の利益を優先させて行動する人。
誰これ構わずものを貰ったり、自分の主張ばかりしてくるようなタイプですね。
マッチャー:損得勘定を考えて、相手によってテイカーとギバーを切り替える人。
人によっては態度を変えてゴマをすり、自分より低い立場と思っている人には物を与えて支配しようとするタイプです。
ギバー:惜しみなく与える人。
自分の利益よりも相手への貢献や喜びに重きを置く、孫に接するおじいちゃんやおばあちゃんのようなタイプの人です。
「ギバー」は人生の必須条件である理由とは
一見すると、ギバーは与える側なので、メリットは低いように思えます。 しかし、研究結果によるとギバーの方が長期的なメリットは大きいと実証されています。
ベルギーの研究によると、とある大学の医学部の成績が、他のタイプより11%高いという結果も出ています。
学生だけではありません。営業員を対象とした調査では、ギバーの方が年収が50%も高かったそうです。
ギバーは自身の成功だけなく、相手の利益も考えるため、良好な人間関係を構築できます。 相手に喜ばれる行動をすると、当然与えた方の印象は良くなります。
良好な評判から、恩返しや新たなチャンスを提供してもらい、 そこでのギブが更なる好評を呼び込みます。 この正のスパイラルが続くことで、結果として利益が最大化するのです。
一方、テイカーは「クレクレ」と相手から搾取をするだけなので、 短期的な利益は得られますが、相手からは嫌われてしまいます。
「ギバー」であり続けるための具体的方法とは?
では、具体的にどのようなを心がければよいのでしょうか。
自己犠牲はNG
まず、陥りがちなミスとして自己犠牲には気をつけてください。
自分の感情や利益を抑制して、相手の利益ばかり考えて何でもかんでも与えてしまってはいけません。友達を意識しすぎて、誕生日を毎日のように祝ったり、 後輩のために手取り足取り教えてしまったりするようでは、自分の時間やお金は奪われる一方です。
「こいつは利用しやすいな」とテイカーやマッチャーに搾取されてしまいます。
自己犠牲ではなく、全体の利益の最大化する方法を考えましょう。
「限られた予算・時間でどうやって相手に喜んでもらえるだろうか」 と、工夫や創造で利益を10倍、20倍に増やす方法を考えるのです。
物理的な大きさは意識しない
相手に与える際は、物理的なモノよりも目減りしないものを優先しましょう。
モノの満足度は得てして短期的です。数十万円もするブランド品を与えても相手の満足は一時的ですし、経済的負担も大きいです。
一方、いつまでも自分や相手の資産として残り続けるものの方が、人生の投資効果は高いです。
(負担が少ない範囲での)小さな贈り物、知識、親切、などです。
高級ブランド品より感謝の手紙の方が、いつまでも記憶に残り、思いやりのある温かい気持ちになれますね。
ギバーの神髄は”自己利益と他者利益の最大化”です。 つまり、自分にとっても相手にとっても巡り廻って嬉しいものを与えるようにしましょう。
お子さんへの感謝・親切へフィードバックを心がけましょう
お子さんから「与えられた」ものを意識してみてください。 別に「家事を手伝ってくれた」「好成績をとった」といった立派なことでなくて構いません。 「毎朝、自分で起きて学校に行っている」「しっかりと塾で勉強している」といった事だけでも十分な「ギバー」です。
“こんな子に育ってほしいな”という視点で考えて、 それをお子さんが実現しているようでしたら、「ギブ」への感謝を伝えるコミュニケーションをしましょう。
関連コンテンツ
- 紹介した著書です。著者のグラント氏はグーグルやIBM、ゴールドマンサックスなどの世界的に有名な一流企業や組織で、コンサルティング活動も行っています。
- アダム・グラント氏のTEDの講演です。10分ほどの動画で分かりやすくまとまっていますね。